システムの要件よりも履歴書の見栄えを優先させてはならない
著者: ニティン・ボーワンカー私たちエンジニアが、テクノロジーとかメソドロジーとかアプローチといったものを奨めるとき、それらが問題解決にもっとも適しているからというのならいいんですが、履歴書に書き加えたいだけという場合があるんです。でも、こういう決め方は、良い結果を生みません。
あなたのキャリアにとって何よりも大事なのは、「前のプロジェクトでいい仕事をしてくれた」と思って、あなたを推薦してくれる顧客が山ほどいる状態です。流行りの言語やらパラダイムで、優れたオブジェクトを作ったなんてことよりも何十倍、何百倍も大事なことなのです。確かに、優れた最新のトレンドやテクノロジーを知っていることは大切です。生死を分けるくらい大切ですが、そのために顧客を犠牲にしては本末転倒です。仕事を引き受けた以上、顧客に対して義務があることを忘れてはいけません。あなたはアーキテク卜として、プロジェクトの健全な発展を託されているのです。ですから、自分の利益なんて、考えずに、プロジェクトのために全力を尽くさなければなりません。キャリア的にプロジェクトが古くさいとか、やりがいがないというのなら、やりがいのあるプロジェクトを探せばいいんです。
でも、そんなわがままが許されなくて、ぱっとしないプロジェクトに否応なく参加しなければいけないなら、あなた自身のためにも、みんなの幸せのためにも、履歴書ではなく顧特のことを考えて正しいテクノロジーを選ぶのです。新しくてクールなソリューションを使ってみたいという誘惑は大きし、。たとえ目の前のの状況に合ってなかったとしてもです。でも、正しいものを選んだ方が、チームも顧客も幸せになれますし、いろんなストレスも減ります。すると、時間に余裕ができてきますから、古いテクノロジーに対する理解を深めたり、新しいテクノロジーを学んだりする時間も作れます。でなければ、以前から行きたいと思っていた、絵画教室に行くのもいいでしょう。家族との関係も良くなりますよ。あなたが家に帰ってきたときの雰囲気が違いますからね。
あなた個人の短期的なニーズより、顧客の長期的なニーズを常に優先させていれば、あなたにとってまずいことなんて起きないのです。