優れたコンテンツは優れたシステムを作る

私が見てきた開発チームは、要件、設計、開発、セキュリティ、メンテナンスといったものには力を入れるのですが、システムのもっとも重要な要素であるデータにはさっぱり力が入りませんでした。データが、構造化されていない情報や半構造 化された情報としてやり取りされるコンテンツベースのシステムでさえそうなので す。しかし、優れたコンテンツがあるかどうかは、中身のないシステムと重要なシ ステムを分ける重要なポイントです。

コンテンツは主人、コンテンツはネットワー夕、コンテンツはインターフェイスです。相互接続がますます密接になっている最近の状況のもとでは、コンテンツの品質が成否を分けるポイントになりつつあります。facebook対Orkut、Google対Cuil、NetFlix対BlockbusterOnline。コンテンツの戦場における勝者と敗者を説べたこのリストは無限に続きます。コンテンツに関することはアーキテクトが扱う問題ではないという意見もあるかもしれませんが、私はこれからの10年でそうではないことが証明されるだろうと見ています。

新しくシステムを設計するときには、そのプロセスの一部を既存コンテンツの詳価に当てるべきです。効果的なドメイン/オブジェクト/データモデルを設計するだけでは不十分なのです。

次の基準に従ってすべてのコンテンツとその価値を評価しましょう。

  • 十分なコンテンツはあるか。ないなら、クリティカルマスを獲得するためにどうするのか。
  • コンテンツの鮮度は十分か。そうでなければ、どのようにしてコンテンツの更新頻度を上げていくか。
  • すべてのコンテンツチャネルを網羅しているか。RSSフィード、電子メール、紙などはすべてチャネルです。
  • システムへの継続的なコンテンツの供給を促進する効果的な入力ストリームが組み込まれているか。価値の高いコンテンツを見つけることと、それを定期的に取り込むことは別の話です。

間違えないでください。システムが成功するかどうかは、コンテンツにかかっているのです。設計プロセスの一部として、コンテンツの価値評価を組み込みましょう。満足のいかない結果であれば、それは利害関係者に知らせなければならないレッドフラグです。この、ごく当然なことを無視したために、契約上の義務をすべて満たし、すべての要件を満足させながら失敗したシステムを私はいくつも見ています。優れたシステムは、優れたコンテンツによって作られるのです。